犬と散歩中の女性、そばを通った自転車にリードが絡まり転倒 自転車運転の男性に1570万円支払い命令 神戸地裁 2023年07月22日
一見すると、なんとも理不尽な判決に見えなくもない。
しかし、自転車といえど、法的には
「クルマ」
と定義づけられている事を、人々は案外見落としがちである。
すなわち
「安全義務」
が、自転車には課される。
安全義務とはなにか?
すなわち、「危険予知」を前提とした走行である。
いかなる状況にあろうとも、自転車には、ありとあらゆる危険を想定し、それに則った走行が求められているのだ。
つまり、この判例に則って言えば、歩行者がいて、その近辺に飼い犬がいる。すなわち、リードによって繋がれており、それを念頭に置いた走行が自転車には求められている。
それが、安全義務に則った自転車走行である。
とはいえ、それは結構大変なもの。
だから僕は、サイクリングロードや歩道での走行は、基本的に好まない。
思い切り走りたければ、まだ幹線道路の路肩のほうが思い切り走れる。
「クルマがいて危ないのでは」
と思うかもしれないが、一定の法規と一定の規則性のもとで走っている以上、不規則な歩行者や他の自転車に比べれば、全然安全である(言うまでもなく、「比べれば」の話)
あとは、クルマに対する一定の気配りは大事。
路肩のすり抜けは、基本的には避けるべきだが、長蛇の列になっている場合などは、いつでも安全に止まれるくらいの速度まで落としながらすり抜け、クルマの流れが出始めた頃合いで、ちょうどいいタイミングで合流できるクルマについていくイメージで走り、交差点30m通過地点で後続車に先行させる(こうすれば道路交通法にひっかからない)
なんて書いてはいるが、実際には目いっぱいのフルケイデンス走行なので、それ相応の脚と性能のある自転車の場合のみ適用。
左折車両がいる場合は、真後ろに付いて、左側をすり抜ける意思がないというアピールも必要。先行車が減速する場合は、基本的には減速、右側の安全が確認できる場合には、右側から追い越す(厳密には違反行為なので、なるべくなら待つ)
煮えきらないクルマに対しては、ハンドサインを出して追い越しを促すか、場合によっては減速か端に寄る等の気遣いもしておきたいところだ。
あと、歩道や裏道を極力走らない理由の最大のものは、一番怖い、自転車同士の出会い頭衝突だ。
つい3〜4か月前にも、夜の裏道で、ちょっとしたヒヤリハット案件があった。
優先権はこちらにあったのだが、左側の細路地から、一時停止も減速もなしに、素知らぬ顔で飛び出してきて、冷や汗をかいてしまった。しかも夜中、相手側は無灯火で、しかもヘッドホンでという、事故れば、相手からはたんまり搾り取れそうではあったが、こちとら当たり屋ではない。
もちろん、そこは紳士的に「ふざけんな馬鹿野郎!!」と罵声を浴びせて、何事もなかったかのように通り過ぎていったのだが、迂闊に裏道なんて通っちゃいけないなと思い知らされた。
さて、リンクの事故に話を戻そう。
ひとつ、気になったことがあった。
この被告人
保険には入ってたのかな?
ってこと。
最近は、各損保会社や、コンビニとかでも、お手軽な自転車保険を取り扱っている。
埼玉県などでは、すでに自転車保険未加入車の自転車走行を禁じているというし、これから、そういう自治体も増えてくるだろう。
僕は、埼玉県が義務化を決めたタイミングで(埼玉県を走行する機会もあるので)加入している。
自治体の姿勢云々以前に、気をつけていたって、どうしても事故が起こるときは起こってしまうもの。そういう時の備えは、持っておくべきであると思う。
あと、今年の4月から努力義務とされているヘルメットについて。
これは、各々の考えだと思うので、僕からどうのこうのとは言いたくないですね。僕は、クロスバイクを入手して以降、自主的にヘルメットを購入し、一貫して被ってます。
だからって、これは真似てくださいなんて言うつもりは、毛頭ありません。
死にたい人は、勝手に死ねばいいなんて、結構ドライに考えてます。
そんなこんなで、自転車って、案外怖い乗り物なんだっていう事を理解せずに乗ってる人って、多いと思うんです。
そういう人が多くいるということを念頭に置きつつ、安全走行に努めていきたいと思ってます。
MAKOTO